2024年1月18日~22日に開催されるメゾン・エ・オブジェのテーマは「テックエデン:新たな自然の目覚め」。持続可能な未来の基盤となる、科学と自然の関係の進化を追求するこのテーマは、ペクレールの専門家やデザイナーにより、展示会のフォーラムとして形にされます。そして、このシーズンの「INSPIRE ME!」フォーラムは、科学と自然が融合するホスピタリティの未来に焦点を当てています。
自然とテクノロジー:幸せな調和
テクノロジーとエデン(自然の楽園)という2つの概念は相反しているように思えるかもしれません。しかし、これらの二つの世界が交わるところで、持続可能な望ましい未来が形作られようとしています。新しいテクノロジーは疑念の対象となり得ますが、理性や節度を失った特定の人々だけが享受するものではありません。人間の活動と自然の間の対立を解消すべき今、むしろ、望ましい未来を築く上で重要な資源となり、回復力となり得るのです。
自然と文化の緊張した関係を解消しなければならないという思いは、例えば映画「アバター2」など、自然とテクノロジーが調和する未来の世界を描いた物語に反映されています。最近のSF作品の人気は、美的表現だけでなく、社会の新たな進歩を刺激しています。
楽観主義を開花させる
未来主義と科学が融合する、新しいエデンを夢見ることは十分に可能です。未来学者のケヴィン・ケリーが呼ぶところの「プロトピア(*)」を実現するのです。ユートピアの幻想と、ディストピアの幻滅の中間に位置するこの第三の道は、未来を前向きに捉える現実的な方法です。そして、自然とテクノロジーの対話から生まれる実用的なツールによって、生活が向上する未来を想像します。
*プロトピア…手に入れられる現実の中で最も良い状態、現実的なゴールとなり得る場所。
•この自然とテクノロジーの対話が、夢のようでもあり、技術的でもある、様々な形を想像させる。
•持続可能性は、魅力や感覚的な美的表現を排除するものではない。
•人工知能が、新しい感覚の世界を創造するためのツールとして機能する。
•インタラクティブな没入型のツールを通じて、テクノロジーが、毎日のウェルビーイングを高める。
•自然と調和する新しい技術が、私たちのライフスタイルや消費行動を変化させる。
消費者プロファイル:多元感覚者
ペクレールは、このテクノロジーと自然の融合を望む未来のペルソナを「多元感覚者」と定義します。健康に気を使い、常に感覚を追求する彼らは、新しいテクノロジーの没入感に魅了されています。彼らはまた、想像力豊かで、自然とのつながりを重視し、驚きのある夢のようなバイオフィリック(自然の要素が組み込まれた)な環境づくりを目指します。
自然との交流を通じて、感覚を目覚めさせるようにデザインされた住空間。そして共感覚が、ウェルビーイングをもたらす中心的役割を果たします。この多元感覚者は、香りや音、光、そしてVR体験を通じて、空想的である種神秘的な風景に浸り、心身ともにリフレッシュできるような空間を求めています。
バイオフィリックな癒しの影響を受けるホスピタリティ
ペクレールはこの未来志向のシナリオをホスピタリティの分野に展開し、次回のメゾン・エ・オブジェのホスピタリティ・ラボ(ホール6)の「INSPIRE ME!」フォーラムで紹介します。そこで展示されるのが「ガーデン・オブ・フューチャー(未来の庭園)」というインスタレーションで、自然のリズムを中心に構築された、3つのバイオフィリックな癒しのカプセル(ウェルビーイングカフェ、ジムステーション、スパルーム)から成る空間です。これらについては、続きの記事で詳しく紹介します。
中期的な視点では、ホスピタリティ施設を訪れるゲストは新たな形の癒しを期待し、機能だけの空間、通り過ぎるだけの場所以上の魅力を求めるようになるでしょう。人々を引き止め、より長く滞在させ、何よりもリピートを促すために、ホスピタリティ業界は、様々な要素の複合やイベントを駆使して、ユニークで感性に富む、多様な体験へと変革していくことになります。ウェルビーイングはもはや「ついで」ではなく、日常生活の優先事項となり、生物学的なリズムとフェーズ(起床、活動、再生)を貫く共通の糸として、あらゆる体験の中心に据えられます。
メゾン・エ・オブジェ・アカデミーの動画で、ブリュヌ・ウアクラットとシャルロット・カザルスが、科学と自然の交差する「テックエデン」について語っています(仏語・英語字幕)。
•Maison&Objet 2024年1月18日から22日まで、Parc des Expositions Paris Nord Villepinte
•ペクレールによる INSPIRE ME! フォーラム「ガーデン・オブ・ザ・フューチャー(未来の庭園)」 Hall 6
•入場チケットはメゾン・エ・オブジェの公式サイトからご購入ください
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