9月26日から10月4日まで、首都パリではファッションショーが相次いで開催されました。ファッショントレンド・ディレクターのエリザベス・プラット(Elisabeth Prat)が、パリ・ファッションウィーク 23SSの注目ポイントを紹介します。
1.インクルーシブネス(包摂性)
エステル・マナス(ESTER MANAS): 脱構築的であらゆる体形にフィットする「夏のボディウェア」。すべての人に向けた服。
2. デジタルからのインスピレーション
ロエベ(LOEWE): 奇妙さ ー 自然の模倣とアンスリウムの花。フェイクに見えて、デザイン性が高い。「グリッチ(コンピュータの不具合)」のようなピクセル化、マインクラフト、コンパクトな量感。
3. 持続可能性にコミットする
クロエ(CHLOÉ):無害で放射性廃棄物を出さない宇宙からの強大なエネルギーを研究するITER (国際熱核融合実験炉)を訪問したガブリエラ・ハーストは、「いつか服を作るために、核融合エネルギーが必要になる」と語る。コレクションでは核融合をコンセプトに幾何学形を描いた。また、所有する牧場の羊の毛を使用したウールのスーツには、QRコードが付けられている。
バルマン(BALMAIN): 気候変動に心を痛めるデザイナー、オリヴィエ・ルスタンは、サプライチェーンを改善するための急進的な取り組みを行う。例えばラフィア、リネン、木材、バナナといった、環境に配慮した素材の使用など。2000年代を彷彿とさせる壮大なファッションショーは、8200人の観客(チケットは有料、利益はエイズ撲滅運動REDに寄付される)の前で行われ、また、歌手のシェールがランウェイの最後を飾った。
ボッター(BOTTER): 海を守るためのマニフェスト、環境に配慮したゴムの使用、海藻から作られたニットウェアなど。
4. DNAの反映
クレージュ(COURREGES): パリの音楽と砂の上で、パンプスを片手にレイブ気分を味わう。1974年のアーカイブをベースにした今回のコレクション。余分なものを省いた構造的、あるいはボディコンシャスで実用的なシルエットに注目。
このレポートの全文は、ペクレール+に掲載されています。オンラインツール「ペクレール+」では、 パリ、ロンドン、ミラノ、ニューヨークをはじめとするグローバルなファッションショーを分析、レポートしています。