ペクレール・パリのファッション・ディレクター、エリザベス・プラット・ダード(Elisabeth Prat Dard)が、その経験やインスピレーション、そしてファッションに対するビジョンを語ります。

私自身について

ファッション・トレンド・ディレクターのエリザベス・プラット・ダードです。

これまで37年間、ペクレール・パリでトレンド予測や提案を行ってきました。

ペクレールのエグゼクティブ・メンバーとして、インスピレーション・トレンドブックにおける美的表現のディレクションを担当し、ウィメンズメンズのトレンドブックのマネジメントもしています。また、ペクレールのファッションに対するビジョンに一貫性を持たせることも私の役割のひとつで、このビジョンを提案・可視化するカンファレンスやコンサルティングを統括しています。このビジョンは、フランスと中国のさまざまな分野で活躍する約50人のデザイナー、次世代の有望なデザイナーとのコラボレーションによって築かれています。

私の仕事

ペクレールでの私の仕事は、すべてが常に進化している世界で、概念と具体的なアイデアを結びつける実験的なものです。常に進化し続けるためには、偏りのない視点が必要です。物事に驚かされ、世界を新たな目で見つめることが必要なこの仕事に、私は情熱を燃やしています。

ペクレールのファッション文化に対する視点、そして消費行動とファッション情報の間の関連性をわかりやすく伝えるために、特に、ファッションの進化に関する考察、対話やお互いに与える影響を重視しています。ファッションや服は、年齢や方法に関係なく、新たな自分を発見したり、変身させてくれるものですから。

ファッションは常に私を目覚めさせ、夢を見させてくれます。特に今のように、物議を醸し、論争が高まっている時にはなおさらです。私はファッションの力を信じています。

ペクレールの美的表現を高め、クライアントにインスピレーションを与えるために、アートやイベント、アーカイブなどの文化的世界を探求しています。長年の経験を元にできる限り厳密に選び、一貫性と驚きをひとつにまとめ上げるのです。私はよく、自分の仕事を料理に例えます。「意外な組み合わせで、新たな風味を生み出す」。

例えば、

・スンネイの最新コレクションに見られる、非構築的な素材が生み出す量感

・Galerie Thaddeus Ropacで展示された、ジャン=マルク・ブスタマンテによる素朴な色彩の風景画

・デヴィッド・クローネンバーグの映画のトラッシーな魅力

・ファッションエディターのシャルロット・コレがM Magazineに掲載した、バイクメッセンジャーをテーマにしたシリーズ

・新ディレクター、アキレス・イオン・ガブリエルによるカンペールのモダンで楽しいシューズデザイン

私の生活

私にとって、仕事と趣味は分けて考えることはできません。お休みの日は、美しいものを観察します。常に仕事をしていますね。図書館や書店、ギャラリー、アパレルショップ、リアルまたはバーチャルな美術館など、パリからベルリン、上海も訪れます。そして庭やビーチでも、その繊細なニュアンスを捉えています。

私のお気に入りの場所

・古い雑誌と新しい雑誌が混在する洞窟のようなOFRブックストア

・独特でシックなメンズウェアを揃えるヴィンテージショップ Thanks God I’m a VIP

・Castor Fleuristeが取り扱う、イル・ド・フランスで栽培されている奇妙で美しい花

・ヴィラソーのパン屋le Fournilの古い倉庫

その他については、私のインスタグラム @elisabethpratdard をご覧ください。

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