ペクレールは、2023年9月のメゾン・エ・オブジェに向けて、五感を刺激する3次元の空間で未来の美的世界を実現しようと取り組んできました。来場者が「喜びの探求」の3つの要素である「誘惑的な表現、解放された創造性、増幅された感覚」を、実際に感じられるようにするためです。展示会の活気ある雰囲気の中で、刺激的でひらめきに満ちた休息を取り、ペクレールが示す3つの消費者像の嗜好やライフスタイルを理解することができます。

「私たちは、バイイングガイドや単なる物のセレクションになりがちなスペースを作りたくありませんでした」と、ペクレールのトレンド予測専門家 アメリー・ヴェルジュは語ります。「消費の領域を分析する私たちの方法論を実現したかったのです。つまり、未来を予測し(*1)、ペルソナを特定し(*2)、そのライフスタイルを探求しながら、俯瞰的に製品を分析することです」。

*1 … ペクレールで言うところのマクロトレンド。この場合は、新しい快楽主義の形の出現。

*2 … ターゲットとなる消費者。

そして課題は、これを150平方メートルのスペース内に実現することでした。その中で来場者が直感的に自身を反映させ、体験できるようにするのです」。

魅惑的な表現: スエード仕上げ、マット/光沢の組み合わせ、艶仕上げ

この美的表現を反映する回遊型の展示に関して、テーマと初期に選んだ作品がアイディアの源となりました。「最初に、膨らみのある曲線的なアイテムをいくつか選んでいました。これらの作品から、うねりや遊び心、柔らかさというアイディアが導かれ、やがて自然に「迷路」というコンセプトに繋がっていきました」。

ペクレールのトレンド予測専門家 シャルロット・カザルスは、「来場者を迷子にさせるのではなく、ガイドし、体験へと導く迷路です」と説明します。「私たちは3つの異なる世界を表現する没入型のスペースをデザインしました。各スペースが異なるペルソナのライフスタイルを描き出し、次のペルソナへと流れる旅のように自然に導きます」。

共通の原則に基づき構築された3つのスペース:

•開放性への欲求。日常のモノと希少なアイテムの差をなくす。また、展示会のパートナーブランドと、参加は意図せずとも影響力のあるデザイナーの枠組みを取り払い、メゾン・エ・オブジェとパリデザインウィークの境界をなくす。

•生活の場面を表す展示。ベッドルーム、ダイニングルーム、ウェルビーイングのためのエリア、美容、デザイン、レジャー、ジュエリー、食品、雑誌、書籍を調和させて、各ペルソナのライフスタイルを描き出す。

•主要なメーカー(Tarkettなど)との提携により、素材(床、壁、什器、およびサンプル)と展示作品の対話を生む。展示に意味を含ませ、来場者をコンセプトに没入させる。

•各スペースに、強烈な視覚的体験を導入する:最初のスペースはオドレイ・ラルジュの3Dデザイン、2番目のスペースはアトリエ・ビアジェッティによる巨大な猫「ミル」、3番目のスペースはルカ・ジトによる彫刻的な照明器具を展示。

•ライブ、または五感を刺激するアートの介入。「誘惑的な表現」でのブルーメンによる花と香りのインスタレーション、「解放された創造性」でのディエゴ・ファイヴルによるライブ制作、「増幅された感覚」でのユアン・ユアン・デザイン・スタジオによる食のデザイン。

ディエゴ・ファイヴルは、「ミニット・マニュファクチャリング」というコンセプトのもとに、人とモノの関係、またその価格について再考し、生産の方法を魅力的に変えます。各アイテムの価格は製造にかかる時間に基づき、1分あたり1ユーロのレートで決定されます。彼の活動は、身の回りの素材を楽しくリサイクルすることを基本しています。

ユアン・ユアン・デザイン・スタジオ:同名のデザイナーが、 2014年にパリで設立したデザインスタジオ。食のアート、文化、自然環境、社会、健康など、食にまつわるさまざまな側面を探求し、ユニークな感覚的体験を創造しています。

さらに物理的な展示に加え、拡張現実の旅が、これらのデザイナーやアーティスト、およびメーカーに関する新たな次元の情報を提供します。

エンジョイ:喜びを求めて!」は、3つの消費者像の消費行動、ライフスタイル、美意識を通して、ここ数年の内省の時代に続く、新しい快楽主義の形を読み解きます。人々は今、希望に満ちた未来を求め、ウェルビーイングと質の高い生活を実現するために、共同体の力を活用しています。そして、創造性に生きる情熱を掻き立てられ、彼らは感覚と直感を重要視し、今この瞬間を生きているのです。

2023年9月7日11:00(CET)より、ペクレールの専門家、シャルロット・カザルスとブリュヌ・ウアクラットがメゾン・エ・オブジェの来場者向けに、この現象を掘り下げたセミナーを行います(参加無料:こちらからお申込みください)。

INSPIRE ME!(もっとひらめきを!)で展示される作品の一部

ティム・テヴェン「プレッシャー・スツール」
アイントホーフェン 2022年
アトリエ・ビアジェッティ「ミル」
ミラノ 2022年
スタジオGbBのセラミックタイル
オランダ 2023年
アレクシス・フォワニー「花がまだ存在する限り」
パリ 2021年
ユアン・ユアン・デザイン・スタジオの食のデザイン。パリ 2023年

ENJOY: in quest of pleasures(エンジョイ:喜びを求めて!)」 のテーマをより深く掘り下げた動画もご覧いただけます。この動画は、Maison&Objet Academyで公開されていたものです。

2023年9月7~11日に開催されるメゾン・エ・オブジェ ホール5Aで、ぜひこの没入型のスペースを体験してください!

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エンジョイ:喜びを求めて! – 2023年9月 メゾン・エ・オブジェ

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