最近ミラノを訪れた、ペクレールのウェンディ・ベットン(Wendy Betton)とガブリエル・バッジョ(Gabrielle Baggio)が、店頭の様子や現代アートスポットをレポートします。
ミラノ市場調査・ショップレポート
ブルマリン(Blumarine)やアッティコ(The Attico)、プッチなどのイタリアブランドの影響で、全体的に2000年代前後のトレンドが強くみられます。最新の22-23年秋冬ミラノコレクションでも引き続き存在感を放っていました。
それと並行して、シャーチングやブラック&ホワイトを中心とするフォーマルな傾向や、キャンパス風のカジュアルな傾向も見られました。
ラグジュアリーブランド以外では、イタリアのリュー・ジョー(Liu Jo)やピンコ(Pinko)、マックス・アンド・コー(Max & Co)、そしてフランスのマージュ(Maje)やサンドロ(Sandro)といったプレミアムなブランドが、大理石やガラス、ミラー、デザイン家具、アートのコラボレーションなど、没入感のある美的体験にこだわった空間演出を見せています。
ディエチ・コルソコモ(10 CORSO COMO)
ファッション、デザイン、音楽、ライフスタイル、アートなど、さまざまなカルチャーと商品をコラージュしたコンセプトストア。30周年を迎えたコルソコモは、アトリエ・フォルナセッティ(Atelier Fornasetti)をフィーチャーし、シュルレアルかつグラフィカルな白黒で装飾されていました。
ミラウラ(MILAURA)
ラウラ・ポレッティ(Laura Poretti)が設立したブランド&コンセプトストア。ミラノの 中心部にあるカラフルでモダンな店舗では、ヌメロ・ヴェントゥーノ(N21)、イネス・ド・ラ・フレサンジュ(Ines de la Fressange)、メゾン・ジェジア(Maison Jejia)、アリジ(Alysi)、エリカ・カヴァリーニ(Erika Cavallini)など、数多くのインターナショナルブランドを取り扱っています。
ウェイト・アンド・シー(WAIT AND SEE)
マックスマーラやミッソーニ、エトロなどのブランドで活躍した元スタイリストでインテリアデザイナーのウベルタ・ザンベレッティ(Uberta Zambeletti)が手がけたコンセプトストア。ヴィンテージ調のミックス感のある店内は、ラ・ダブル・ジェイ(La double J)、ミッソーニ、マルニといったイタリアブランドを中心にセレクトされています。
ミラノ現代アートスポット
2022年初めに、ミラノで見逃せない建築や現代アートスポットを紹介。アートとデザイン、ファッションが融合する常設展や企画展が開催されています。
「アトラス・コレクション(Atlas Collection)」@プラダ財団(Fondazione Prada)
常設展「アトラス・コレクション」は、プラダ財団の7つの建物のひとつであるトーレ(Torre)のさまざまなフロアに異なる要素を展示し、意外なつながりを築くというコンセプト。絵画や彫刻、インスタレーションが、ビジターに一般公開されています。
アルマーニ/シーロス(ARMANI/SILOS)
ジョルジオ・アルマーニがキュレーションした企画展「The way we are」は、女性/男性のアイコン、ミラノ、ヒーローとエロティシズム、ムードボード、エンポリオアルマーニ・マガジン、遠く離れた地など、異なる価値観やコンセプト、美意識、世界観を表現した作品の数々を展示しています。
1980年から現在までの40年間のアーカイブが、「アンドロジナス(男女両性の特徴をもつこと)」「エスニシティ(民族性)」「スター」の3つのテーマで分類・構成されています。
ブレラ美術館 (Pinacoteca di Brera)
16世紀から17世紀の宮殿の建物で、ラファエロやカラヴァッジョといったイタリア絵画の名作が並んでいます。外に運び出すことのできない巨大な絵画の修復作業を鑑賞できるのは、まるで「インスタレーション」のようでとても魅力的でした。作品の周りには研究所のような足場が組まれています。古典絵画と工業的構造のミックスが、とても刺激的です。
レポートの全文は、デジタルツールのPeclers+に掲載されています(ログインが必要です)。
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