Maison et Objet 2022年9月8日〜12日

今回のメゾン・エ・オブジェは「Meta sensible(メタ感覚)」をテーマに、現実とバーチャル、2つの世界の融合が示されました。工芸品や美しく質の良い素材、触感、そして自由なデジタル表現にフォーカスしています。

また、今回の展示では、今の憂鬱なムードを払しょくするように、エネルギッシュでポジティブな色が復活していました。キャメル、ブラウン、オレンジ、グリーンは70年代・80年代のヴィンテージデザインを彷彿とさせます。

そしてこれらの傾向は、ペクレールのトレンドブック「エンバイロメント&デザイン 23-24年秋冬」の主要なトレンドと一致しています。

今回のメゾン・エ・オブジェでの取り組みの一部を紹介。

●「Future on stage(未来が舞台に)」は、装飾やデザイン、ライフスタイルの分野で活躍する新しい企業を支援するアワード。第1回目の今回は、Pierreplume(ピエールプリューム)、LucyBalu(ルーシーバル)、Avuly(アヴリー)の3社が受賞しました。

●「 Cooking demos & chefs meetings (クッキング・デモ & シェフズ・ミーティング)」では、来場者向けに料理のデモンストレーションを実施。Gault & Millau(ゴ・エ・ミヨ:ミシュランに並ぶフランス発祥のレストランガイド)が選ぶ「109」から、才能ある25人のシェフによる料理が紹介されました。

●ホール7のSignatureのスタンドで行われた「Talents so French(フランスならではの才能)」では、4名の気鋭のフランス人デザイナー、Bina Baitel(ビナ・バイテル)、Charlotte Juillard(シャルロット・ジュイヤール)、Pierre Gonalons(ピエール・ゴナロン)、Samuel Accoceberry(サミュエル・アコーズベリー)が、自由に作品を発表できる場を提供しました。

メゾン・エ・オブジェでは、14のエリアを通じて、装飾とデザイン、ライフスタイルの全てを網羅しています。23-24年秋冬のトレンドや美的表現をチェックする絶好の機会となりました。

また、今回の「Rising Talent Awards(ライジング・タレント・アワード)」は、オランダ人デザイナーに焦点を当てています。

ANCHORING(アンカリング:錨を下ろす)

環境とのつながりや、再び自然の中に身を置くことの必要性を示すテーマ。環境意識が、美しい素材と複合材料に対するニーズを高めています。不規則さや不完全さを受け入れること。そして先祖代々の創造的な表現と田舎のクラフトを、現代的な視点で見つめ直すこと。色は赤茶、キャラメル、ブラウンなど、冬の太陽を思わせる暖かな色を掛け合わせます。

キートレンド

・先祖代々の表現を探求しつつ、 現代的で創造的に。
・質素で本質的、持続可能なデザイン。
・基礎的なものを高める専門性。
・田舎の職人技術を活かしたデザイン。

Atelier FIG
(アトリエ・フィグ)
Seok-Hyeon Yoon
(ユン・ソクヒョン)

Atelier FIG(アトリエ・フィグ)は、型を使わない陶器のコレクション「Gravity(グラヴィティ)」を発表。発泡素材の骨組みを液体状の粘土に浸し、粘土の重みで 自然に成形させています。

Seok-Hyeon Yoon(ユン・ソクヒョン)の「Another Paradigmatic Ceramic(アナザー・パラディグマティック・セラミック)」コレクション。再生不可能なガラス質の釉薬に代わり、韓国の伝統的な天然樹脂「オット」を使用し、漆器のように陶器に塗布しています。

BACK TO BOLD(バック・トゥ・ボールド:力強さの復活)

巧妙で意外な色と素材の組み合わせで、基礎的な形を美しく高めるテーマ。大胆で楽しく、エレガントなカラーパレット。70年代と80年代の価値観を反映した、自由な創造性に注目。これらのアイコン的なデザインを収集し、豊かに洗練された形で表現します。

キートレンド

・冬の「甘い生活」を再現。
・贅沢さと厳格さ、そして個性。
・70年代、80年代のヴィンテージデザインを取り入れる。
・ポップなデザインを洗練させる。

Consini Paris
(コンシーニ・ パリ)

Pierre Gonalons
(ピエール・ゴナロン)

Consini Paris(コンシーニ・パリ)による、コンテンポラリーで耐久性が高く、カスタマイズ可能な装飾品。ペストリーのようにふっくらと美味しそうな形が特徴。

Pierre Gonalons(ピエール・ゴナロン)による、70年代に影響を受けた新しいデザイン。艶を帯びたラッカー塗装の素材と幾何学形、エネルギッシュな色で表現されています。


アンカリング」と「バック・トゥ・ボールド」は、エンバイロメント&デザイン 23-24年秋冬トレンドブックに掲載されているトレンドです。

4つのライフスタイルと価値観に焦点を当て、新たな消費者意識に沿ったクリエーションや美的表現を提案しています。カラー、表面効果、素材サンプル、装飾など、新しい製品やストーリーテリングを生み出すためアイディア満載のブックです。

トレンドブックの詳細・ご購読につきましては、グノクル株式会社までお問い合わせください。

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