1月21日から23日までポルト・ドゥ・ベルサイユで開催された展示会「フーズネクスト」について、ファッショントレンドディレクターのエリザベス・プラットとディナ・スルタンがレポートします。
今回のフーズネクストは「ファンタジーの領域(District Fantasy)」をテーマに、迷宮や万華鏡のような演出が施されました。
ものごとを単純化する還元主義や「より少なく、より良く」の考え方に逆行する、強烈でとても濃密な展示です。それどころか、ブランドのDNAを解読するのが困難になるほどのミックス感が打ち出され、溢れんばかりのファッション性に満ちていました。
中でも特に際立っていた、ニッチなブランドをピックアップしました。これらのブランドには、次の3つの特徴があります。
- 1つのアイテムに集中し、特化するブランド:単一製品ブランド。
- ポジショニングが明確であり、それを守る、ミックスし過ぎないブランド。
- 「役立つ」機能的な製品を提供するブランド。
このブログでは、1. 単一製品ブランドを紹介します。
(このレポートは、Peclers+からの抜粋です。すでにユーザーご契約のある方は、こちらからログインして全文をご覧ください。)
1.単一製品ブランド
仕立ての良い定番:
・ANDESITES(アンデシテ):クラッシュデニムと、色落ち加工を施したファインジャージーTシャツの2点のみに絞ったブランド。
・ SACRE CŒUR(サクレクール):フランス・リヨン地方のファブリックブランドAB Creationsの素材を使用したコレクション。テーマに即したコレクションというよりも、ポプリンのシャツ、縮絨ウールのジャケット、コーデュロイのジャケットなど、素材群によって構成されています。シャツはこのブランドの発端となったアイテムであり、その後、ジャケットを展開 しています。
今シーズン、華やかなセーターを提案しているニットブランド:
・TRICOT D‘O(トリコ・ドー):このアントワープ発のブランドは、ボーダーや独特の表情を見せるニットウェアと手編みのモヘアセーターを提供しています。これらのセーターは、ボスニアとトルコの女性によって編まれたものですが、ブランドはこれについて特に言及していません。また、カジュアルでファンシーなビルケンシュトック風のシューズをコーディネート提案しています。
・ ABSOLUT CASHEMERE(アブソリュート・カシミア)
・ LES TRICOTS DE LEA(レ・トリコ・ドゥ・レア)
素材のリサイクルにより、個性豊かなアイテムを展開する3つのブランド:
・PIEUX(ピュー):豊かでクリエイティブな「クチュール」スタイルを提案するインド発のブランド。すべての素材は、技術力に応じて異なる工場で製造されています。
- ペットボトルから作られたポリエステル
- デッドストックの絨毯のリサイクル
- 裁断くずを使用した刺繍
・SISSEL(シスル):すべてのアイテムは、サリーをリサイクルした素材で作られています。多様なデザインに展開されたモコモコのドレス。10年前からリサイクルを基盤にしているベルギーのブランド。
・SECONDE MAIN(セコンド・メイン):地元に送られてくる大量の古着を活用する、マダガスカル発の若いブランド。地域のハンドメイド技術を生かし、パッチワークや刺繍を施したデニムやシャツを展開しています。
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