ファッションと社会貢献、持続可能な消費を併存させるために:デザイナーのヴァレンタイン・ゴーティエが、彼女の名を冠したブランドの持続的な成功の秘訣について語ってくれました。

ファッションブランドを立ち上げる前、ヴァレンタイン・ゴーティエはひとつの「ライフスタイル」を確立したいと考えていました。これが、2007年のブランド設立から続く彼女の野望です。

1. 人々に望まれる革新的なコミットメントを掲げるファッションブランドの創造

アートやカルチャーを取り入れた、クールでカラフルなワードローブをデザインすること。マスキュリン=フェミニンのミックス、そして主張のあるウェアラブルなスタイルで、必要不可欠なワードローブを構成します。

チームとパートナー企業を尊重しながら、原産地やノウハウ、「地域での生産」に重点を置き、丁寧に時間をかけて作られた服を提供しています。

2019年11月、この功績によりヴァレンタイン・ゴーティエは、パリ市主催デザインコンテストのファッション部門でグランプリを受賞しました。

では、どのような取り組みを行ってきたのでしょうか。

・季節感を追いかけない。

・小規模のコレクションや、セミオーダーメイドを導入すること。

・フランスやヨーロッパのメーカーが生産する天然素材、リサイクル素材、サスティナブルな素材を使用し、タイムレスなデザインのために無駄のないカッティングを見出すこと。

・工程に責任を持つパートナー企業を選び、製造における伝統を尊重し、人や環境に配慮した革新的なプロセスを保証する。

・調達をコントロールし、残布の再利用に至るまで、製造チェーン全体を見通すこと。

2. ブランドの存在理由を守るために、理にかなった成長を目指す

量より質を重んじ、利益の追求以前にブランドの価値を証明すること。これが、ブランドの正当性とDNAを確立し、その誠実さと透明性を強く打ち出すのです。

「誠実で世代を超えたコミュニティとの一体感を育むためには、理にかなった安定的な成長が不可欠なのです。」

理にかなった成長は、どのようにして実現できるのでしょうか?

・ブランドの信条と築いてきた歴史を尊重しつつ、お客様の要望に応えるために、コミュニティの声に耳を傾けること。

・年齢、体型、肌の色、ジェンダーに関わらず、多様な人々に服を着てもらうため、セグメント化しない。

・オンラインでも物理的な空間でも、顧客に会い、誠意と自信を持って交流し、本物であることを知ってもらうために舞台裏を見せる。

3.「環境に対する責任」に対して妥協せず、迅速に行動する

安心感はあっても価格の上がり続けるラグジュアリーと、「顧客からの人気を得るためにこだわりを失ったファッション」との間のバランスを取る存在になること。

現実に根ざした消費を志向するY世代、Z世代にとって不可欠な価値である透明性、公平性、一貫性を持って行動すること。

4. 新しいリテール体験を提供するファッションブランドに

2018年にオープンしたパリの旗艦店Holism Modern Craftはショップとアトリエ、そしてアパルトマンを併設しています。ショッピング体験を他のクリエイティブな分野に広げる必要性を感じ、ヴァレンタイン・ゴーティエ自身が「ライフスタイルに特化した空間で、予約制で一般にも開放され、ビジネス向けのディナーも開催できる」ことを念頭にデザインしました。

ファッションが指針となり、生活の場、創造の場としての総合的な環境が生まれ、ブランドをさらに豊かなものにしています。タイムレスなワードローブやデザイナーによってセレクトされた他ブランドのアイテムは、この空間のために制作された家具や写真、アーティストによる陶芸作品によって、引き立てられています。

カテゴリー: