メゾン・エ・オブジェとのパートナーシップの一環として、住宅・環境・デザイン部門のディレクター、パトリシア・ボーソレイユ (Patricia Beausoleil)のインタビューが公開されました。
彼女にとって便利なもの、役に立たないもの、お気に入りのもの、こだわりのものについて語っています。
私自身について
30年以上もの間、幸運なことに私は情熱を注ぐことのできる仕事に恵まれました。ですから、働いているという感覚がまるでなく、これまでの活動がずっと続けられるのは、ある意味贅沢なことだと思います。
新しい美的表現やコンセプトを形作る、社会文化のサイン(兆候)を読み解くことは、私が環境・デザイン部門を担当するペクレールでの仕事に限らず、生活のあらゆる場面で受けた影響が関わっています。
世界のすべてが私の仕事場であり、数々の旅、ひとつひとつの出会い、アーティストや作品を発見したり、展覧会に足を運んだりした時の感動…すべてが未来のトレンドを想像させるインスピレーションの源です。
ここ数ヶ月は、私が旅して観察してきた世界はほぼ、パリのアパルトマンの中に収まってしまいました。そしてコンピュータのスクリーンが、創造のエネルギーに満ちた世界に開く「窓」となっています。
便利なもの
必ずしも常に機能性を求めているわけではありませんが、私の身の回りのものはすべて実用的で、空間におけるシンプルな存在感と見た目の調和をもたらしています。
絶対的に「便利な」ものを選ぶとしたら、私が20年以上使ってきたクリストフ・デルクールのオフィス家具でしょう。彼の生み出す家具は、私好みの端正で繊細、エレガントなデザインで、初期の頃から注目していました。
(右写真:デルクールのデスク)
役に立たないもの
ドロテ・ロリケの彫刻は、プロヴァンスの蚤の市で見つけた小さなロッキングチェアと一緒に、棚の上に置かれています。この2つのオブジェは、私のデザインの嗜好を象徴する、ちぐはぐで愛すべきカップルです。解けたり結びついたり有機的なラインを描く官能的な彼女と、シンプルでバランスのとれた彼。感情と理性の対話というのは結局のところ、それほど無意味ではないようです。
お気に入りのもの
昨年10月にサン=シュルピスで見つけた、コラリー・セイニュールのシャモット(粒子の粗い原料)の炻器皿が、最近の私のお気に入りです。
私が何年もかけて集めてきたハンドメイドの陶器やテラコッタの器で、キッチンの棚は溢れかえっています。この春からアパルトマンを仕事場にしているので、もはや仕事を含めた日常生活の一部と言えるでしょう。
(左写真:コラリー・セイニュールの炻器皿)
コラリー・セイニュールの作品には一目で恋に落ちました。古代と現代のプレシャスな融合、そして感動するほどの繊細さ。そこで新たに、これらの3つの作品が私のコレクションに加わったのです。
時の流れを印すように、息子フェリックスの描いた絵がアパルトマンの壁の一部を飾っています。それぞれの絵が時代の記憶であり、彼と作品の成長の証なのです。
こだわりのもの
この3つの印籠は、私が日本を旅していたときに、東京郊外のお寺のフリーマーケットで見つけて持ち帰ったものです。私が特に興味を持っているアジア文化の参照となるものです。
この薬やタバコを持ち運ぶための小箱は、男性が着物の帯につけていたものですが、今では私のオフィスの棚を飾っています。
パトリシアのインタビューは、メゾン・エ・オブジェ「Le Magazine」のAt Work Withでご覧いただけます。
2021年3月3日にはペクレールとメゾン・エ・オブジェのデジタルカンファレンスが開催される予定です。詳細につきましては後日お知らせいたします。