新たな世界を生きるために、空間を再デザインする

ライフスタイルの急激な変化や他者との新たな関係など、多くの人々は世界や生活がどう変わるのかを疑問に思っています。そしてこれまでにない程に、居住空間への関心が高まっています。

ペクレールのホーム・エンバイロメント&デザイン部 チーフデザイナーであるパトリシア・ブーソレイユが、私たちの環境の大きな変化について、また危機後に浮上する私的空間と共有空間の新たなバランスについて、その見解を語ります。

コ・リビング & コ・ワーキング

現在の急激なライフスタイルの変化は、私たちの居住空間にどのような課題をもたらしていますか?

パトリシア・ブーソレイユ:かつてない状況下で、私たちの活動のほぼ全てが室内で行われるようになりました。他者との関係を良好に保ちながらプライベートを尊重するために、私たちの居住空間は一日の中で行われる複数の活動に合わせた機能を持つ必要があります。例えば、新たに生まれているニーズは次の通りです。

仕切りをなくすこと:家族、仕事、リラクゼーション、レジャーの空間に境界がなくなっているため。

多機能性:用途によって形を変えられるモジュール式、適応性、実用性。

安全性:プロテクション、安心感、快適な隠れ家。

シンプルさ:革新的技術、コネクティビティ(接続性)、ホームオートメーションで、全ての人を包括するインクルーシブで多世代が共生できる空間を作る。

みんなの心地良く快適な住まい

社会的隔離の状況において、リビング空間はどのような役割をもち、私たちのライフスタイルをどのように変えているのでしょうか?

PB:長期間にわたる隔離と身近な人々と共有する時間が増えたことにより、リビング空間は公私のバランスを図り、人と人を結びつける「つながり」の場となりました。また、ウェルビーイングや喜びを育むシンプルな活動が見直されています。例えば、

料理。家庭のレシピやインスタグラムでの料理教室、調理したり一緒に食べたりして、他者との関わりを保つことがこれまで以上に重視されています。特に「キッチン」が、家での中心的な「つながり」の場となっています

心と身体のケア、身体的なウェルビーイングの時間:生命力を養うためのヨガやリラクゼーション。五感を高めること、隔離の状況からの精神的な解放。穏やかで質の高い生活を送るために、自分の時間を過ごせる私的な空間を作ること

学び、創造する活動。裁縫、絵画、ガーデニング、DIYが創造する喜びをもたらし、感情を表現し、他者に伝える方法となっています。

本質の追求

エンバイロメント&デザイン2021−22年秋冬トレンドブックでは、これから訪れる世界でより良く生きるために、ますます本質回帰しているようですが、中心的な方向性はどのようなものでしょうか?

PB:本質への回帰、そして私たちの身の回りのものの価値を再び吟味することです。

・考え抜かれたシンプルさやミニマルな実用性、感覚的なデザインが求められます。また普遍性が安心感を与え、上質で長持ちすることが満足感をもたらします。

・優先すべきことや、消費の形も変わっていくでしょう。

・ローカルな消費、これまでより小さな範囲での生産・流通・消費がますます進みます。エコデザインや、天然素材と再生素材の使用も重要です。

普遍的な機能への回帰

機能性はどのように変わるでしょうか?

今、プロダクトデザインには機能的で普遍的、タイムレスであると同時に、クリエーティビティ(創造性)が求められています。元々の用途に加えて耐久性や循環性、社会的な結びつき、ステータスが与えられ、機能とは何か、新たな定義が生まれるでしょう。

最近、フォンダシオン・ルイヴィトンで開催されたシャルロット・ペリアンの展覧会は、このクリエーションとデザインの新たなニーズへの1つの答えだと言えます。

そして機能的なモノが、社会で今求められているものを証明するマニフェストとなるでしょう。

このパトリシア・ブーソレイユによる「エンバイロメント・デザイン 2021-22年秋冬セミナー」の動画(英語/日本語字幕)を近日公開する予定です。ご興味のある方は、ウェブサイトのお問い合わせフォーム、またはinfo@peclersparisjapan.comまでメールにてお問い合わせください。