すでに変革が始まっていた美容・化粧品業界ですが、この未曾有の危機により、根底から変わる必要性が高まっています。この異例な時が、未来の美を再定義し、意味や価値のある行動と消費を喚起する重要な機会をもたらしています。ペクレールのビューティトレンドディレクターであるルシール・ゴーティエが、サスティナブルな未来のためのビジョンを語ります。

@onthewildside_spirit

危機が始まってからというもの、ビューティの領域で再編が起きています。どのようなプラスの影響、マイナスの影響が見られますか。

ルシール・ゴーティエLG):化粧品業界、特にラグジュアリー産業が大きな影響を受けています。また世界的な感染拡大が、販売の根本的な部分に影響を及ぼしました。ベイン・アンド・カンパニーによると、ラグジュアリー産業は2020年に20~35%縮小すると予測されています。

これとは反対に、健康や衛生、パーソナルケアの売上が急増しています。eコマースは 52.6%も増加しており、ロレアルによるとグループ全体の売上高の約20%をeコマースが占めているそうです。

そしてコロナ危機は、業界内の様々な動きを加速させました。例えば、新製品発表を延期・中止したり、その数を絞ったり。新製品を次々と投入するのをやめ、既存の製品や過去の製品を再発売する動きも表れています。

マイナスの影響を否定することはできませんが、それ以上にこの急激な変化は、商品に意味を与え、疑問視されてきた消費パターンを改善するために、理にかなった時間やリズムを再考する機会をもたらしているのです。

この数カ月の間に、消費者行動にはどのような変化が見られましたか?そして、ビューティ&ウェルネス業界にどのような機会をもたらしているのでしょうか。

LG:これまで「第二の分野」とみなされてきた領域が、優先されています。ウェルネスと衛生分野の爆発的な拡大により、パーソナルケアはさらに洗練されたものになっています。またホームケアも、化粧品ブランドの有望な新分野として台頭し始めています。

この不確実な状況において、企業やブランドが危機を乗り越えるために、どのような提案ができますか?

LG:ペクレールはこの50年間、世界を観察し、常に自己改革を続けてきました。そして今、新しいグローバルなアプローチによって、この変革の一端を担っています。美容分野においても、現在の変化を踏まえて、最良の方法でトレンドを提供するため、新たなコンテンツを考案し、刷新し続けています。

さらに、消費者の洞察・予測分析・社会文化トレンドをベースにクリエーションのコンセプトを構築する「イノベーション戦略」を組み合わせることにより、オーダーメイドのソリューションを提供しています。

この困難な時代に、新たなベンチマークが必要とされています。マーケットを先読みするために、「ビューティ&ウェルネス」トレンドブックはどのように変わりましたか?

LG:毎年9月に発行される「ビューティ&ウェルネス」では、変化の早いマーケットの先を行くために、主要なトレンドをベースにした4つのテーマを設定しています。それぞれのテーマは、社会文化やマーケットのキートレンド、女性像、ライフスタイル、ストーリーテリング、カラーレンジ、革新的な製品コンセプト、新しいブランド、原料、テクスチャー、素材サンプルで構成されています。また、1月と3月には、世界各地で観測された最新トレンドをオンラインでいち早く紹介します。