私たちが経験している危機は、今後の大きな変化を象徴しています。これまでの世界の過剰さに疑問を投げかけ、新しい多様な未来が開かれようとしています。間もなく発売されるペクレールのトレンドブック「インスピレーション2022年春夏」を前に、未来予測&ブランド戦略ディレクターのオード・ルグレが、次のシーズンを形作る主要な変化と社会文化的影響、そして戦略やクリエーションのためのコンセプトについて語ります。

次のシーズンは、私たちが今経験している世界的な危機によって揺るがされると思いますが、インスピレーション 2022年春夏トレンドブックにはどのような変化が現れていますか?

オード・ルグレ(AL):2021-22年秋冬のトレンドテーマは、危機に直面する私たち個人の欲望を反映したものでした。矛盾する欲望やニーズにしがみつきながら、どのように考え、何を選択したらいいのかわからない、不確実性に揺れる現代の私たちの欲望が浮き彫りになりました。インスピレーション 2022年春夏では、従来のシステムの見直しにつながる経験に直面した私たちの選択と欲望について、危機とその長期的影響を踏まえながら分析を行っています。

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感情に突き動かされた行動を引き起こす「矛盾した欲望とニーズ」は、どのような影響をもたらしますか?

AL : 今回の新しいインスピレーションブックは、これまで以上に相反する力学と対照的なテーマに基づいています。例えば、ますます広がりを見せる「寛容な本質主義」はトレンドブックの各テーマで、多様な形に展開しています。この相反する力学が、クリエーションの領域を多様に広げ、一見矛盾している欲望とニーズの間に調和を育むのです。

2022年春夏のクリエーションのコンセプトに見出される特徴は、どのようなものでしょうか?

AL : 「超日常」の時代に突入した今、「異なるものを調和させる」ことがキーポイントです。安全を確保しつつ感覚的な面を高めたり、また、虚構のような現実の中で根拠を見出しつつ現実逃避したり。また、内観的な自然回帰と本質主義は、新しい未来を築くための方法として、さらに掘り下げられています。

これらの大きな変化における重要な点は?また、どのようなコンセプトが生まれているのでしょうか?

AL : 2022年春夏のトレンドブックで展開するイノベーション戦略やクリエーティブ・シナリオの内容には触れませんが、次の2点が重要です。

1# 現在の文脈において、増幅された感覚と感性が、新しい本質主義をもたらしています。そして身体・物質、私的・人間関係、仕事などにおける根本への理解を深めようとしています。

この変化は、個人的なニーズと関連しています。サスティナブルで充実したライフスタイルをもたらす新しい環境に適応できるのか、私たちの能力が試されています。

2# ロックダウンの間、私たちは自己の内面を探求し、個人や集団での創造性を高めてきました。

この変化に適応する能力は、緩やかで心地良い他者とのつながりを育み、創造的で思いやりのある活動を活性化し、ファンタジーのような現代のスピリチュアリティや仮想世界を想像する力を育むでしょう。

これらは全体観を大まかに解説したものにすぎません。今ここで言えるのは、現在の状況が、未来を切り開くすべての可能性を検討する機会をもたらしていることです。