中国は今、新型コロナウィルスの影響から回復し、ゆっくりと活動を再開し始めています。市場で消費を促すための様々な戦略と、それが生み出した新しい消費行動ついて、ペクレール・パリの中国チームがその見解を語ります。
*ニューノーマル(新常態)…構造的な変化による「新たな常識・常態」のこと
加速するデジタル化
コロナ禍の収束後もオンラインショッピングは根強く、ライブストリーミングが新常態として定着しつつあります。
最近の調査によると、中国の人々は外出禁止の間、1日あたり平均6時間をスマートフォンの使用に費やしており、その90%は映像やライブストリーミングの視聴でした。
1. 戦略と行動の急速な変化
- 多くのブランドが、消費者との接点を広げるためにオンラインチャネルの利用を強化しています。
- 新型コロナウィルスの流行は、ファッションブランドのマーケティングや販売方法を柔軟に変化させました。そして新しい方法やツールの採用が、コミュニティとの強いつながりを構築しています。
- オンラインマーケティング戦略によってさらに幅広い製品の提案が可能になり、eコマースや微信(WeChat)のミニプログラムによるライブストリーミングを通じた在庫の販売も広がっています。
3月26日にルイヴィトンは初めて、1時間のライブストリームで2020年春夏コレクションを紹介し販売するという、オンラインマーケティング戦略を実施しました。
- 消費者がeコマースに頼らざるを得なくなる状況下で、ライブストリーミングの新たな活用が広がり、消費者もあらゆるデジタルツールを使いこなすようになりました。
ロレアルは、コミュニティの興味を掻き立てるために、ライブストリーミングで新製品のプレビューを発信し、クーポンの配布を始めました。
2. 企業はどのように、この変化に対応しているのか
- オンラインプラットフォームを、認知度向上と商品販売の両方の場として捉える。
- 大規模なコミュニティとのつながりを強化し、個人的な体験を提供する、ライブストリーミングなどのバーチャルなeビジネスを展開する。
- ローカル、または小規模なeコマースプラットフォームと協業してコンバージョンを上げ、顧客のデータを収集したり、物流に活かしたりする。
- バーチャル店舗やバーチャルショールームを体験できるVRシステムを開発し、販売のコンバージョンを上げる。
- ライブストリーミングを通して販売員が直接、自分の顧客にコレクションを紹介する。
巨大複合モールの上海万象城は、服、コスメ、アクセサリー、子ども用品、食料品、ホームインテリア用品など、モール内の商品を拡大して見ることのできる「インテリジェントVRオンラインショッピング」サービスを開始。その場で割引を受けられるサービスも提供しています。