コロナ危機後を乗り切るために始まった変化は、米国のファッション業界の全てのプレーヤーがリセットし、業界を再構築し、その基盤となるバリューチェーンを再評価するよう促しています。
明確な目的と意味のある消費行動が広がる中、ファッション市場でも新しいビジネスモデルを試していく必要があります。ペクレールの米国チームが、今後のアメリカ市場についてその視点を語り、新たなニーズやライフスタイルに適応するためのアイディアを共有します。
加速する消費者行動の変化
ファッションブランドにとって何を意味するのか?何を学ぶべきか?
必要なものだけを求める顧客の新たな「長期的」ニーズに応えられるように、製品、サービス、体験を適応させる。
求められる商品やサービスについて、適切なタイミングで聞き取りをし、開発する。
消費者嗜好の変化をリアルタイムで追い、機敏にイノベーションを行い、顧客体験を再調整する。
消費者の信頼を保ち、強めるために、ビジネスの枠を超えて、社会に貢献し続ける。
コミュニティに投資する。常に対話し続けることで、顧客の信頼とロイヤルティを強める。ライブのコミュニケーションによって、ブランドが行う企画開発から販売までのプロセスに消費者を巻き込む。
コレクションのペースを落とし、実需に合った商品をより少ないロットで製造する。リテールのタイミングに合わせるのではなく、季節に合わせて製品を作り、販売する。
値下げの対象にならないシーズンレスアイテムや定番アイテムで構成されたコレクションを作る。
再販売や再発売など、柔軟な生産とマーケティングの方法で多様化し、100%透明で持続可能な製造にできる限り近づける。

ニューノーマル時代のリテール体験
IVL(イン・バーチャルライフ)ショッピング体験
少なくとも今後6ヶ月間は、1対1または少人数での集まりがニューノーマル(新常態)となるだろう。この制約が物理的な接触を減らし、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、没入型体験やホログラフィックを組み合わせた、消費者を疑似店舗に没入させる新しいデジタルショッピング体験の創出を加速させる。
デジタル体験の課題にどう向き合うか
– 自社のオンラインDtoCチャネルを開発しつつ、eリテーラーやマーケットプレイスと新たなパートナーシップを築き、ブランドの存在とアクセス性を確保する。
– デジタルマーケティングを取り入れたオムニチャネルを重視し、消費者が慣れ親しんでいる現実世界での交流を、オンラインでも提供する。
– セレクトショップ、百貨店のインストア、ショールームは、eコマースのプラットフォームに適応しなければならない。また、商品の細部まで拡大できる高解像度の画像や映像、詳細な商品説明を提供する。
– デジタルによるプレビューが、多くの顧客またはVIP顧客に新製品やコレクションを発表するためのニューノーマルとなる。
– 中国市場向けに、インスタライブとWeChat(微信)のより効果的な使い方をマスターする。