メゾン・エ・オブジェのトレンド&未来予測パートナーであるペクレール・パリは、2024年9月5日~9日に開催される次回の展示会のテーマを「TERRA COSMOS(テラ・コスモス)」としました。科学研究やイノベーションの現実的な課題である宇宙開発は、SFの世界の空想的で魔法のような側面を持っています。宇宙の探求が、持続可能で未来志向のソリューションへの道を開き、地球に恩恵をもたらすことでしょう。
宇宙のアーティストたち
宇宙のイノベーションを通して多くのデザイナーが、科学と美的表現の実験を行っているように、ここで紹介する3組のデザイナーは、未来の美学を夢見たり、宇宙からインスピレーションを得て、持続可能な方法や創造的なソリューションを想像しています。
HUGO FOURNIER(ユーゴ・フルニエ)
デジタル・アーティスト/アーティスティック・ディレクターのユーゴ・フルニエの創り出す世界は、過去(60年代のユートピア建築)と現在の未来的美意識の融合のように見えます。モニュメント的であると同時に親密であり、ミニマルでありながらマキシマルでもある、その独特な空想の建築物は夢の世界へと誘います。彼は数年前、Hype & Hyper誌のインタビューで「3Dデジタルアートが、自分自身を表現する自由をくれた」と語っています。その驚くような素材の使い方が、新しい発想のヒントを与えてくれます。
RANDOM STUDIO (ランダム・スタジオ)
Bコープ認証を取得し、アムステルダムとパリに拠点を置くランダム・スタジオは、物理的なものとデジタルを予想外の方法で結びつける「エクスペリエンスデザイン(体験デザイン)」を専門としています。彼らは経験と専門知識を結集し、持続可能なデザインへの転換を図る顧客やデザインコミュニティのリソースとなり、協力的なパートナーとなることを目標としています。そのため、地元で倫理的に生産されたリサイクル可能または分解可能な素材を優先し、エネルギー効率に重点を置き、移動と輸送を最小限に抑え、インスタレーションに電力を供給する際には再生可能エネルギーを計画的に使用し、コンピュータの使用が現実に与える影響を常に考慮しています。持続可能性の面では非常に先進的であるため、彼らの詩的で前衛的な美学は、未来の世界を先取りしているように感じられます。
OBJECTS OF COMMON INTEREST(オブジェクツ・オブ・コモンインタレスト)
2016年にエレニ・ペタロティとレオニダス・トランプーキスが立ち上げた、ニューヨークとアテネを拠点とするスタジオ。物質性とコンセプトを結びつけて、具体的な空間体験をもたらすインスタレーションや環境、オブジェクトを創り出しています。ハンドメイドの技術や触感、実験性、詩的な要素を取り入れたその作品は、形式的でありながら直感的でもあります。「家具やサイトスペシフィックなインスタレーションに関しては、素材の特性を試したくなる」と彼らは語ります。そして、永続的でありながら変化するプロジェクトや、抽象的な発想から生まれながらも感情を喚起し、概念的な解釈が何層にも重ねられたオブジェクトを生み出します。シンプルでありながら見たことのない、彫刻的でありながら親密さが表現された、未来を予見するオブジェクトです。
9月5日(木)午前11時から、メゾン・エ・オブジェのオープニングカンファレンスで「テラ・コスモス」のテーマを解説し、広大な宇宙への憧れから生まれる新しい領域や美的表現について紹介します。
また、ペクレール・パリは5日(木)から9日(月)まで、ホール7A スタンドB105に出展します。ご来場の際には、ぜひお立ち寄りください。