コレクションのペースが落ち、オーダーも減る中で、ブランドの意義が問われています:若いブランドやデザイナーたちは、ファッションをよりサスティナブルなものにするためにその能力をフルに発揮し、消費の方法を考え、時代遅れになったシステムを変え始めています。

「デジタルネイディブでサスティナブルでありながら、退屈でない」女性のためのブランド、パティーヌ(Patine)。共同創業者であるシャルロット・ドゥルーが、危機後にも社会や環境へのコミットメントを失わずにブランドを存続していくための戦略について語ります。

courtesy of patine.fr
パティーヌの定義

夢を与えるブランド、夢を与えるワードローブ:80~90年代のレトロなストリートウェアにインスパイアされた、現代的で着心地が良く、飽きのこないベーシックなエシカルファッション。愛着を持ち長く、毎日着られる服は、在庫や廃棄をなくすために定期的な小ロットで生産されています。

ブランドの存在意義とその理由

単なる「エコな」ブランドではなく、第一にファッションブランドであること。ファッションがサスティナビリティのためにできること、消費の方法、コミュニティとの結びつきについて考え、サスティナブルな購入を楽しく喜びにあふれたものにすること。

 courtesy of patine.fr photo Francois Rouzioux
パティーヌの基本原則

透明性

コレクションを行わない、シーズンレス

社会・環境に対する責任を持つサスティナブルな製品:オーガニックコットン60% /再生オーガニックコットン40%、GOTS認証の水性インクによるプリント

短い生産流通システム:フランスとヨーロッパでの製造

デジタルファースト:直販=適正価格

コミュニティとの共創

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ブランドの信念に即したビジネスモデル

― ノー・コレクション、ノー・シーズン。パートナーと共同開発した素材や、品質が高く、社会・環境に対する責任を持つ素材を使用して、製品をひとつひとつ作り上げます。

― サスティナブルな透明性:二酸化炭素の排出量、水の消費量、水質汚染を計算し、標準的なガーメントと比較して表示します。

― 公正な生産と販売:在庫を持たず、セールも行わない。適正な価格を維持することで、品質が高く、社会・環境に対する責任を持つ素材への投資が可能。

― ベーシックアイテムの再販と、年間2~3型の新作の発表。

― 衝動買いとは反対に、生産サイクルに時間をかけて、購入したいという欲求を掻き立てる。

― 製品をデザインする前に、コミュニティを巻き込む:製品が発売されるまでアンケートに参加してもらう。

― 直販

 courtesy of patine.fr photo Francois Rouzioux
コミュニティとのコミュニケーションの図り方

― 顧客と常に対話し、そのニーズや期待に耳を傾け、対応する。

― 製品を共創する。

― 体験を共有するためのチャネルとしてインスタグラムを使い、誠実で親密な関係を築く。

― 感謝の気持ちを込める:商品の発送時に「嬉しい」プレゼントを封入する。

コロナ危機とその後にもブランドを継続させ、貢献するために

― 外出禁止令から3日後、解除後に配送を希望する「LATER」というコードを注文時に選べるようにした。緊急性の低い物品の配送を減らすと共に、ブランドにとっても購入の見込みを把握できるメリットがある。

― 新商品の発売毎に、チャリティ団体への寄付を関連付ける。

― 市民とブランドの信念を共有するため、積極的にインスタグラムを活用する。

― とどまることのない創造性をネットワーク上で共有する:自宅での撮影、コラージュ…いつも笑顔で。

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パティーヌと危機後のファッション

今後もパティーヌのサスティナブルなビジネスモデルは変わることはありません。政府の支援やコミュニティの連帯によって、さらに強化されています。

未来に向けて: 喜びと意味をもたらし、コミュニティを巻き込み続ける。シンプルさへの回帰、循環型経済の強化、時代遅れの言葉かもしれないけれど「スタートアップ精神」で考えること。これらの基礎的なことが、今ますます現実の問題に直結しています。そして情熱に溢れる人々や「人中心」のチームと共に、貢献する喜びを伝える力強いストーリーを生み出していきます。

また、それぞれの強みを最大化するために競合他社とも協力し、資源を大切にするニッチなマーケットを見出していきます。

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