第89回パリモーターショーが10月17日から23日まで、ポルト・ド・ヴェルサイユで開催されました。ペクレールのアン・サガン(Anne Sagant)とエステル・ミシリヴィアック(Estelle Mysliwiak)が、モーターショーのハイライトをレポートします。

4年ぶりの開催となる今回は、「Revolution is on(革命を始めよう)」をテーマに、エネルギーと未来志向のデザインの2つの観点から、持続可能なイノベーションを目指す自動車の新しいビジョンが提示されました。

フランスと中国のメーカーを中心に、特にモーターショーの主役であるルノーグループはすべてのブランドが勢ぞろいし、コンセプトカーからヴィンテージの電気自動車までが展示されました。

ペクレールの注目ポイント

•フランスの水素イノベーション、Namxとホピウム。

•アウトドアコンセプトカー「ダチア・マニフェスト」と「ルノー・カングー・ヒッピー」。

•楽しく機能的な都市向け小型車「マイクロリーノ」と「モビライズ」。

サスティナブルな開発

電気自動車が主役のモーターショーでは、各メーカーが持続可能な開発にコミットし、スピードや性能よりも、自動運転や炭素排出量の低減を打ち出しています。

電気自動車というだけではない、革新的な技術:

•再生素材や再生可能な素材を使用した車体。

•電気と水素エンジンのハイブリッド。

•100%水素に注力するフランスの2つのブランド。

•電気バッテリーの再利用。

再生素材と再生可能な素材

ルノーのコンセプトカー「セニック・ビジョン H2-TECH」:再生素材70%、リサイクル率95%。

モビライズのコンセプトカー:再生素材(コルク&スニーカー)を使用したシート。

モビライズのコンセプトカー:再生素材50%、リサイクル率95%、再利用可能なバッテリー。

アルピーヌのコンセプトカー「アルペングロー」:リサイクルカーボンを使用したデザイン。

ペクレールの注目ポイント①:100%水素エンジンに注力するフランスの2ブランド

•革新的な充電システムを搭載したNAMXの「HUV」。固定されたメインタンクに加え、取り外し可能な6つの水素カプセルをセットすることで、最大800kmの航続距離(メインタンクのみ500km + カプセル使用時300km)を実現。

ホピウム・マキナビジョン:航続距離1000kmを誇るデザイン性の高い最高級セダン。ノルマンディーの工場で生産される。2025年発売予定。

アウトドアのライフスタイル

ノマドなライフスタイルに向けた、全地形対応の頑丈な車。

•車内外の備品を収納できる、機能的な収納コンパートメント。

• 車中泊もできるモジュール式のフレキシブルな設計。

ノマドなライフスタイルのための車

ルノーの展示用自動車「ヒッピー・キャビア・モーテル」:カングー E-TECHをベースにした 電動バン。助手席を倒すとベッドになり、大きなパノラマルーフが付いている。

•シトロエンのビンテージモデルをベースにしたバン「メアリ・エヴァシオン」。

•コンセプトカー「ダチア・マニフェスト」:キャンプで活躍する取り外し可能なアクセサリー、寝袋として使える取り外し可能なシートカバー、懐中電灯になるユニークなフロントライトなど。

ペクレールの注目ポイント②:コンセプトカー「ダチア・マニフェスト」とアウトドアを再現した没入型の展示空間

ブランドが取り組むイノベーションを搭載した、窓もフロントガラスもない完全オープンでコンパクトなSUV。

•再生プラスチックを20%配合した複合素材 スタークル(Starkle)。

•取り外し可能なアウトドアアクセサリー。

•耐パンク性の高いエアレスタイヤ。

•取り外し可能なバッテリーチャージャー。

都市のモビリティ

プライベートやビジネスなど、街での新しい用途に対応する小型自動車が多く提案されています。

•一人乗りまでの小型化傾向。

•電気自動車が中心。

•カーシェアリングやレンタル向け。

•新しいスマートな機能:格納式ハンドル、取り外し可能なバッテリー、家庭用コンセントでの充電など。

•自動車免許なしで走行できるアクセシビリティ。

スマートな機能

シティ・トランスフォーマー:ドイツで製造するイスラエルのブランド。タイヤが外側にせり出すことで走行安定性を高め、格納すれば駐車スペースに横置きできる。

•イタリアのブランド XEVの「YOYO」:家庭用コンセントで充電できる、取り外し可能なバッテリーシステム。一部のパーツは3Dプリンターで作成でき、無免許で走行できる。

ルノーグループモビライズのコンセプトカー:カーシェアリングやレンタカー向け。時速40kmまでは無免許で走行でき、1㎥の貨物トランクを取り付けられるため、配達や小規模な工場にも適している。2023年末に発売予定。

ペクレールの注目ポイント③:楽しく機能的な小型車

•スイスのブランド、マイクロリーノ:車体の一部にアルミを使用した、軽量構造のフルEV車。全長2.50mで、駐車スペースに横置きができる。

•ルノーグループ、モビライズのコンセプトカー「ソロ」:一人乗りの電動三輪車。免許も、ヘルメットも、シートベルトも不要。視点の高い半坐位での運転が可能。電動スクーターの代替となるジョイスティック式ハンドル。

カラー、マテリアル、フィニッシュ

鋭角的な線とライト

ルノー・セニック / DS / Hopium / BYD

直線のライト

マイクロリーノ / BYD / Namx / ヴィンファスト VF6

超マット、偏光、玉虫効果

ダチア・ダスター / アルピーヌ / シティ・トランスフォーマー / DS

ペクレール・パリは、フランス国内外の自動車関連企業のコンサルティングや情報提供も行っています。

レポートの全文は、デジタルツールのPeclers+に掲載されています。

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