今回のメゾン・エ・オブジェは「Take Care(気配り)」をテーマに、身の回りのものや日常生活を形作るものを通して、私たち自身に注意を向けます。
カラフルで楽しい世界、職人技が生み出す繊細な形、身近な資源を生かした新素材など、「ウェルビーイング」を追求して生み出されたフォルムと素材。そしてオブジェやアクセサリー、装飾品は、喜びや静けさ、逃避によって、私たち自身をケアするよう促します。エネルギッシュな色、あるいは素材の透明感、自然素材の軽やかさが、それぞれの世界観を作り上げています。
展示会のテーマである「Take Care(気配り)」を象徴する展示:
・エリザベス・ルリッシュが手掛けたフォーラム「In the Air(空中へ)」は、ウェルビーイングのための3つのアプローチを紹介しています。金属と透明な素材を中心とした冷たいブルーのエリア、透かし入りの天蓋が覆うニュートラルカラーの自然素材のエリア、そして旅へと誘う暖かな太陽の色のエリア。
・今シーズンの「Rising Talents(新たな才能)」は、スペインのデザイナーを特集。マルタ・アラヤ(Marta Alaya)によるミニマルな家具と白いコットンのチェア、アルバロ・アランブル(Àlvaro Aramburu)の独特な質感のオブジェシリーズからは、穏やかでシンプルな感覚が見出されます。
・フォーラム「Future on Stage(未来を舞台に)」では、足場で区切られた空間に、廃材のリサイクルを促進する3つのプロジェクトが展示されました。海の堆積物をデザインや 建築の素材に変えるグウィレン(Gwilen)は、ペクレールの「エンバイロメント&デザイン 22年春夏」トレンドブックでも取り上げています。
・また、メゾン・エ・オブジェは、ウクライナのデザインに敬意を表して「レジリエンスの芸術」をテーマに、上質な素材と伝統美を現代風にアレンジした家具を展示しました。
2023年2月のメゾン・エ・オブジェでは14のエリアを通じて、装飾やデザイン、生活芸術の全分野をカバーする展示が行われました。ここにはペクレールが提案する「エンバイロメント& デザイン 24年春夏」の主要なトレンドも見られます。
HUMBLE NATURE(質素な自然)
ペクレールの24SSのトレンドテーマ「ブリージング(呼吸)」で展開されたこのコンセプトは、質素で繊細なクリエーションに注目します。シンプルな手作業による加工技術が、天然素材を際立たせます。凹凸や不完全さ、職人の手の動きが活かされており、素朴さの中に繊細さと軽さを感じさせます。また古紙や真珠層を用いた複合素材と、木やガラス、陶器などの伝統的な素材が組み合わされています。色よりも素材そのものの質感が強調され、あるいは鮮やかな差し色が、意図的に歪ませた輪郭を際立たせています。
ラトリエ・セドリック・ブライザッハ(L‘Atelier Cédric Breisacher)による、ウッドチップの端材から作られた木彫りのオブジェ。植物由来の炭によるアンティーク加工を施した、艶のあるテラコッタレッドの塗装や明るい色の木材など、洗練された植物と鉱物の色調で構成されています。
UFO FROM THE FUTURE(未来から来たUFO)
24SSのトレンドテーマ「タービュランス(混乱)」で展開したこのコンセプトは、レトロフューチャーな要素を現代のデザインに取り入れたもの。原色や幾何学模様、丸みを帯びたフォルムが、インテリアにUFOのような不思議なムードをもたらします。また素材の自然な表情が見えないように、表面は全てコーティングされています。カラーブロックと華やかなグラフィックの装飾、マットと光沢、艶のある金属の冷たさとタフティングされたベルベットの柔らかさのコントラストが視覚的なインパクトを生んでいます。
ポルテゴ(Portego)は、カーペットと彫刻的なコーヒーテーブルのコレクションを提案。互いに呼応する色と形が、創造性の高いモダニズムデザインを作り上げています。
このブログでは、ペクレール・パリが提供するメゾン・エ・オブジェのレポートの一部を紹介しています。オンラインツールのペクレール+では、すべてのレポートがご覧いただけます。
また、エンバイロメント&デザイントレンドブックでは 毎シーズン、4つのライフスタイルを取り上げ、新しいライフスタイルに適応したインテリア&デザインのコンセプトを提案しています。
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