サスティナブルファッション、ビジネスの発展と集合的利益を目指し、調達から製品まで、繊維・アパレル産業全体を改革する。

これは、フランスにおけるエシカルファッションの先駆者の一人であり、「リネンニットウェア」の生産工場であるLINportant(リンポータント)の創設者・CEOのポール・ボワイエが起こした革命です。

オーガニックでローカルな「リネンニットウェア」工場であるLINportantは、どのようにして繊維・アパレル産業を改革しているのでしょうか?

ポール・ボワイエ(PB):フラックス(亜麻)は、パリから数時間の地域で入手できるヨーロッパ製の繊維です。LINportantは原料から製品まで、全ての製造プロセスの拠点を変え始めています。特にノルマンディーは、この分野の技術と工業設備が整っており、世界中のガーメントに使われる最高級品質のリネンを生産することができます。

しかし、リネン糸を工業的にファインゲージで編むことは、長い間不可能でした。今日ではそれが可能になり、Tシャツの製造から始めています。工場では丸編み機を使い、GOTS認証(オーガニック・テキスタイルの世界基準)を取得した環境に優しいエシカルファッションを実現しました。

ブランドやデザイナーにとって、リネンニットの良い点とは何ですか?また、どんな製品に適していますか?

PB:リネンの丸編みニットは通気性が良く、体温調節機能があり、オールシーズン使えます。またニット生地は伸縮性も備えているので、綿ニットと同様、リネンニットはシワになりにくい。Tシャツに理想的な素材です。そして、レディースでもメンズでも、チュニックやタンクトップ、トップス、Tシャツ、ドレスなど、全てのニットウェアやスポーツウェアに適しています。

また、その環境に優しい品質はベビー服や子供服にも向いています。間もなくアンダーウェアにも使われるようになるでしょう。リネンニットの服は、プリントや様々な色で簡単にバリエーションを生むことができます。

courtesy of Linportant.fr image ©Jonas Gustavsson/Sipa USA/SIPA

ここ数シーズンの間、フランスでは、地域に根ざしたサスティナブルな服への需要が高まっています。ブランドはどのようにして、ローカル回帰を目指すLINportantと手を組むことができますか?

PB: 私たちは、環境にコミットするブランドや業界の人々の支援を得て、フランスに紡績工場を作るプロジェクト「LinPossible(リンポッシブル)」を立ち上げました。

しかし、それを実現するためには、夏向けであるとか、カジュアルでシワになりやすい素材であるとか、リネンに対するこれまでの固定観念を壊す必要があります。そして環境や社会を尊重し、質と倫理的基準を重視するブランドやデザイナーたちが、コレクションにリネンを使用してくれるようになること。そうすれば、サスティナブルで短い生産チェーンでガーメントを製造するLINportantの工業設備をさらに発展させることができます。

繊維・ファッション業界の中期的ビジョンを教えてください

PB:今回の危機によって、グローバルなサプライチェーンの脆弱性と、一定量の在庫を持つローカルで短いサプライチェーンの回復力の早さが明らかになりました。

これまで商業的なパートナーと協業してきた業界の各プレーヤーたちが一丸となって、課題に立ち向かう準備が整いつつあると見ています。

そして、環境に配慮した地産のテキスタイルへの需要がますます高まるでしょう。

危機の只中にありながら、LINportantの資金調達キャンペーンが成功したことは、消費者は未だ多くのブランドが提供できていない「意味のある服」を求めていることを示しています。

また、服の二次流通の増加によって、再販価値の高さが求められ、製品の品質と寿命を向上させていくでしょう。

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