この不確かな時代においては、創造的なブランドを見出したり、新しいアイディアを共有したりすることが欠かせません。

この危機を乗り越えた後、ファッション産業には再び、環境やサスティナビリティ 、CSR、ブランドの目的、循環型経済、地域の協力などの課題がのしかかってくるでしょう。

レ・ヴィラン・パリジャンのデザイナー、エステル・インベール(Estelle Imbert)は、高い意識を持ちながらファッションに関わることが可能であり、また不可欠であると語っています。

レ・ヴィラン・パリジャンは若手デザイナーのエステル・インベールが、2017年に設立したメンズ&ユニセックスブランドです。多様なコラボレーションを通して、環境に優しいファッションを生み出すことをゴールにしています。

エステル・インベールのインタビューによる、レ・ヴィラン・パリジャンのビジネスモデルをご紹介します。

ブランドの4つの軸:リサイクル、透明性、シーズンレス、フランス国内製造。

ブランドの目的:標準的なメンズウェアに止まらず、男性と女性にエクスクルーシブな服を提供すること。

可能な限りサスティナブルな「ライフススタイル」コレクションを考案して、廃棄されるプラスチックを減らす。

フランス国内での短いサプライチェーンによる少量生産。主要なファッションブランドの残布を使用する。

ビンテージアイテムを集め、少数のタイムレスなコレクションとして再提案したり、アップサイクルして一点物のアイテムに作り変える。

真の価値を見出し、新しい着こなしや伝え方を工夫することで、服に「強いこだわり」を生む。そして、服を計画的陳腐化させてしまうシーズンのサイクルを超越する。

ビジネスモデル:DtoC(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)。在庫や価格を管理するために卸を通さず、消費者に直接販売している。

70%以上の製品が、フランス国内で製造されている(ジャージー生地はポルトガル製)。価格は上がるが、品質と仕上がりを重視している。

リテール:ブランドを長く持続させ、顧客との密な関係を築くために、2020年3月パリにアトリエ兼フラッグシップショップをオープン。アトリエでは、古着のアップサイクルを行い、店内にあるアイテムをその場でカスタマイズするなど、仕立屋のようなサービスを提供している。

コミュニケーション:アイテム一点ごとの原産地や製造に関する透明性を確保している。デザイナー自身がストーリーを語り、ファッションのサプライチェーンが抱える問題や、天然素材とリサイクル素材の使用について説明し、顧客の意識を高めている。

コミュニティ=人の輪を広げる:コミュニティや潜在顧客が参加し、手持ちの服をスタッフと一緒に作り変えるアップサイクリング・ワークショップを毎週開催。創造性によって、古い服や生地に再び命を与えられることを気づかせる。

サスティナブルファッションの未来とは:循環型であることが必須。また天然素材で作られ、購入者の住む国内で製造されているか、あるいは愛着を持ち長く着たいという顧客から購入してもらうこと。過剰生産をやめて、私たちの服を大切にしましょう!

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