世界的な現在の状況下で、小売業界はそのビジネスモデルを「クロスチャネル」な現状に合わせる必要に迫られています。「オールデジタルの時代」に突入し、これからのリテールはこれまで以上に「人の役に立つ」ものとなっていくでしょう。消費者が生活の中に衛生管理や予防を取り入れている今、ブランドは快適な空間でフィジカルな体験を提供しなければなりません。

「ホームショップ」がコンセプトのラ・メゾン・バイ・ナッド・ユイトをオープンしたトゥイ・グエンが、この「新世代の店舗」とその新しいリテール環境が担う役割について、4つのポイントを話してくれました。

「ラ・メゾン・バイ・ナッド・ユイトを創るにあたり、インスピレーションに溢れるショッピング体験を提供したいと考えました。お客様に「家にいるような感覚で」気持ちよく過ごしていただくために。」

1- 新しいショッピングとライフスタイル体験の場として

「このショップは、リビングから寝室、キッチンまで、生活の場そのままを再現したものです。装飾、雑貨、コスメなど、快適に過ごせる家を私なりの形で表現しています。」

ショップを舞台に、誠実なセレクションが感情的な体験をもたらします。商品や家具は、顧客が自宅のリビングを投影したり、インスピレーションとなる環境を構築したり、そこで生活している自分を想像したり、まるで自分の家にいるような気持ちになれるように配置されています。

2- コミュニティとつながる実生活の空間

「その体験は単なるモノにとどまりません。例えばテーブルの上のレモネードや手作りケーキをコミュニティの人々と楽しむなど、交流を生み出す楽しくハイブリッドなスペースなのです。」

ショップが地域の出会いの場に。

ブランドに関連するワークショップやイベントを定期的に開催し、コミュニティの生活の場となり、ユニークな体験を共有するための文化的な空間となっています。

またSNSやオンラインショップを介したデジタルの共有空間では、ショップに足を運べない顧客も、展示された商品を見ながら注文することができます。

地元密着の場として、セレクトされた商品やコラボレーション、アーティスト、職人、親しみのあるブランドなど、そのノウハウと製品をコミュニティに紹介しています。

3- それぞれの体験を生む物理的な空間

「インテリアについてのアドバイスを受けたり、買い物のアテンドをして欲しいお客様のために、週に一度、アポイント制で1時間のショップの貸し切りを行っています。」

キュレーションの場。コミュニケーション戦略に基づき、選ばれた顧客に向けた予約サービスや商品のチョイス、エクルクルーシブなコレクションを提供しています。

ポップアップやコラボレーションなど、ゲストブランドを招いたショップ・イン・ショップ。

そして注文した商品を実際に受け取ったり、セレクトされたそのブランドの商品を発見できる、クリック&コレクトの場。

4- 新しいストーリーテリングのためのウィンドウ

親しみのある空間演出や商品がセレクトされたショップのウィンドウは、「ストーリー・テリング(語る)」から「ストーリー・リビング(生きる)」へ、より実感を伴うものになっています。

ショーウィンドウは、特にインスタグラムやSNSで拡散されることにより、広告と同様の効果を表します。人目を引くウィンドウをデザインすることは、ブランドとその品揃えについて、インスピレーションに溢れたメッセージを広める最良の方法なのです。

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