メンズファッションブランドの役割の1つは、時代を読み解き、サスティナブルで望まれる製品を作り出すことにあります。そのためには、本質的なワードローブを新たに考案し、単一のブランドイメージにこだわることなく、インクルーシブで流動的、世代を超えた新しい男性のスタイルを表現するストーリーを描く必要があります。

責任と透明性のあるブランドを構築し、独自性を失うことなく市場の変化に対応するにはどうすればいいのでしょうか?パリを拠点とするメンズファッションブランド LaBriQueTerie(ラ・ブリクテリー)の生みの親であるオーギュスタン・フーダの視点と提言をご紹介します。

画像提供: labriqueterie.co 

ブランド・アイデンティティ:La BriQueTerieの独自性

穏やかなクラシックアイテムで構成する、「絞り込まれた」ワードローブ。その控えめで親しみやすいラグジュアリーなコレクションは、男性だけでなく女性も着られるようにデザインされています。

着る人の個性を引きだす、気軽で節度があり、動きやすくタイムレスなコレクション。すべての体型に合わせられるプロポーションへのこだわりと、しなやかな着心地の良さが特徴です。

優先すべきこと:素材の品質、テーラリングのカッティング、細部へのこだわり、ユーティリティウェアの機能性とアウトドアの多目的性を重視した、長持ちするシーズンレスな服づくり。

都市と国、そして何よりも人と人の間の文化的な架け橋となり、コミュニティを結びつける普遍的な美しさを持つ「シグネチャー」となる服をデザインすること。パリ、東京、ヤウンデ(カメルーンの首都)は、ブランドの美学を育むインスピレーションの源です。

長く続くブランドにするための基本原則

本物であること、透明性、一貫した行動により模範を示すことの3つが、持続可能なブランドを築くために最も重要な価値です。

価格が上昇し続けるラグジュアリーと主流のファッションの間に立ち位置を見出すため、「機敏に」ポジショニングをすること。

ノウハウや職人技術を駆使し、画一的なデザインに陥らないようにすること。

一日の様々な時間に合わせてコーディネートしたり、重ね着ができるアイテムでコレクションを構成し、希少性を高めています。

ユニークなラベルによるセミ=カスタマイズと、バイヤーのイニシャルを記載した環境に優しいハンドメイドのパッケージ。

お客様の声に耳を傾け、知ること。ニーズに答えられるようにコミュニティから意見を聞き、ディテールを考え直したり、コレクションを進化させたりしています。

現在、そして未来のビジネスモデル

日本や中国への輸出を中心とした国際的なブランド展開からスタートし、ブランドの原点であるフランスでの地位を確立していきます。

生産の管理。フランス国内ではオンラインとショールーム販売を優先し、海外に厳選した販売拠点を持つことで顧客ロイヤリティを高め、長期的にはブランド独自の条件で卸売ができるネットワークを構築したいと考えています。

ヨーロッパと地元パリでの製造による、より短いサプライチェーンを採用します。製造会社や販売業者まで、すべてのパートナーについて良く知る必要があります。

環境や社会的な課題に取り組まなければならない独立系ブランドにとって、合理的なコレクション数や発表のタイミングを見出すことは、差別化のチャンスです。

急速な成長ではなく、長期的な安定性を追求し、管理しやすい人間的なスケールでの運営を維持します。

近い将来、このようなクリエイティブ・スタジオの手法が、「純粋なファッション」ブランドとの差別化を図るモデルとして広がり、異業種や学際的なパートナーシップを進め、ライフスタイルを多様に広げるでしょう。