かつてない速さと規模で変化する中、弱体化する市場に新たな勢いを生み出すために、ブランドはコラボレーション、共同ブランディング、共創などを通じて、その価値観やコミットメント、戦略を見直しています。アイデアや資源を共有するこれらのコンセプトは決して新しいものではなく、ファッションのあり方を変革する強い推進力の一つとなるでしょう。
ラ・ルドゥートのクリエイティブ&イメージパートナーシップの責任者であるシルベット・ブーティン・ルパースが、その共創の経験と、ブランドとのコラボレーションを成功に導く方法について語ってくれました。
「多分野を横断することで、グローバルな創造と戦略のビジョンを打ち出す」
1. パートナーシップの多様化
メゾン・シャトー・ルージュとの「イメージを重視した、コアな」コラボレーションのように、新しい才能を発掘し、若いクリエイターを支援すること。
ジャックムスやスールなどの有名ブランドとのカプセルコレクションの制作。
デザイナーのコシェのような予想外のコラボレーションは、すべての消費者にリーチするための方法ですが、まずはラ・ルドゥートの価値観を理解してもらうことを第一の目的としています。
2. ブランドとの直接的な共創
ブランドやインハウスのデザイナーが直接、コレクションの開発に関わることが大事です。企画からデザイン、フィッティング、製品化、流通、コミュニケーションに至るまで、全員が納得する共通の作業プロセスを実現しなければなりません。
エクスクルーシブな共創とパートナーシップは、ラ・ルドゥートのイメージを守りつつ、それぞれのブランドのクリエイティブな特徴をコレクションに反映させることができます。
3. 創造性と魅力を併せ持つコレクション
コレクションの計画や製品の仕様を押し付けるのではなく、ビジョンを持ち、グループの環境や倫理的なコミットメントを尊重すること。
「ファッションではなく、スタイルを語る」こと。そして創造性に溢れ、長く着られる服であること。顧客にとって着やすく、かつ手に入れやすい服でありつつ、商業的にも成功し、すべての人のためのファッションであること。
4. 考え抜かれたコレクションと意識的な消費へのコミットメント
ペースを落とすこと。コレクション数やドロップ数を減らし、在庫を制限します。
持続可能な素材を使い、倫理的条件の下にヨーロッパで製造され、公正な価格で販売するエクスクルーシブなカプセルコレクションを、ブランドと共に作り上げる。
コラボレーションはまた、使いやすく機能的で、シーズンにこだわらず、幅広い世代に向けたものでなければなりません。
5. 短期的なトレンドを追いかけずに、本物の付加価値を生む
刹那的な「使い捨て」のファッションを受け入れないこと。選ばれたブランドは、「新しいタイムレスなアイテム」という創造的なチャレンジに取り組む必要があります。
長く愛される魅力とセンスの良いカッティング、フィット感、色、プリント、個性的なディテールを上手に組み合わせて、人々から求められる服を作ることです。
アーカイブの豊かさを取り入れたり、影響をミックスしたり、時代に合わせて新しいヴィンテージ・タッチを加えていくこと。例えば、ヴァネッサ・スワードとのコラボレーションでは、コーディネートしやすく、かつ力強く際立つ「シグニチャー」アイテムを生み出しました。
6. 社会的コミットメントを示し、ファッションのあり方を変えるコラボレーション
すべての人に知識と創造性を開放する無料のファッションスクールCASA93などのプロジェクトへの協力。
生徒たちはラ・ルドゥートと一緒に、リサイクル素材や既存の製品を使って、コレクションを制作しています。
私たちは、このような未来のクリエイターたちがファッション業界でのノウハウを共創し、共有し、継承していくことを望んでいるのです。