現在の危機は、デザインの機能と有り余る装飾について疑問を投げかけています。クリエーションとデザイナーの新たな役割とは? オーダーメイドの装飾・セメントタイル・デジタルステンドグラス・壁紙のデザインスタジオ「ボールガール」の創設者、オーレリア・パオリへのインタビュー。

画像提供:Beauregard Studio

「デザインと装飾」について、どのように考えていますか?また、どのようなクリエーションの段階を経て、スタジオを設立したのですか?

オーレリア・パオリAP):デザインはボールガール・スタジオのDNAです。自分のデザインスタジオを設立したことで、フランスや一部の国ではまだ軽視されているデコラティブアート(装飾芸術)を見直すことができました。また、デザイナーに依頼する企業はほとんどないため、作品を「独自に」提案・発表することで、生産システムを再考することができました。

企業はすでに市場で試された戦略を応用することもあれば、成功している製品をコピーする事もあります。APCIVIAデザイナーボックス・マーケットプレイスなどの機関のおかげで、デザインが評価、サポートされるようになりました。

スタジオを存在させるためには「自作のコレクション」の発表が必要だとおっしゃいましたが、コラボレーションはどの程度、重視していますか?

AP:個人的なビジョンからプロジェクトが始まったとしても、モノは機能や製造、美的表現、流通システムとつながっており、単独で存在するものではありません。コラボレーションが不可欠です。

さらに今、私たちは共創、共同ブランディングの時代に生きています。私は独立した存在であるからこそ、マティアス・キスセレステ・モガドールココ・ブランなどの才能あるクリエーターたちや、ターケットのような他のブランドとパートナーシップを組み、新しいコラボレーションを生むことができるのです。

デザインスタジオとして、これらのコラボレーションやパートナーシップから得られるものとは何でしょう?また、共創・共同ブランディングは今後、どのように発展するでしょうか?

AP:それぞれの強みや専門性を相互に高め合う時代です。例えば家具など、ボールガール・スタジオの本業でなく、私一人では作ることのできない製品を開発するチャンスだと思っています。

共同ブランディングは、コレクションを通じて2つの企業のビジョンが組み合わさり、1つになる機会です。それは消費者に対して、質の高いクリエイティブな製品を保証するものでもあります。

デザインの考え方は、思いやりとレジリエンス(回復力)を中心としたものに変わっています。この新しい価値は市場でも影響力を強め、従来のマーケティングサービスが及ぼし得る製品やデザイナーの正統性への悪影響を軽減しています。

現在、そして未来におけるエコデザインの重要性とは?

AP:サステナビリティとエコデザインはあらゆるクリエイティブ戦略の中心であり、新しいクラシックを創造することがデザインの使命です。私の専門分野であるグラフィックや美的なデザインは、モノへの愛着を育み、手入れをし、長く使ってもらうことで、その寿命を延ばすことに貢献します。

健康と社会の危機で生じた新しい用途に適応するデザインとは?

AP:感染症の拡大により、テレワークが普及し、家庭の生活空間が変わりました。その結果、インテリアデザインにおいては、空間を仕切らずに装飾すること、そしてモジュラー式の家具やオブジェをデザインすることが必要です。

装飾は、新たな「自己啓発」の形に応えるものでなければなりません。製品の購入やサポートの提供といったサービスには再び専門性が求められ、美しさは快適で安心感のある実用性から生み出されるでしょう。